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【動画】流氷のサンプル、研究のため採集 巡視船「そうや」の海氷観測=山本智之撮影
オホーツク海の流氷は、海水が冷やされてできる。元が海水ならば、塩分を含んでいるはずだ。「しょっぱさ」はどのくらいなのだろう。流氷でかき氷を作ったら、どんな味になるのか? 北海道大学の研究チームが採集した流氷のサンプルを少し分けてもらい、実験した。
海上保安庁の巡視船「そうや」は22日、流氷のサンプル採集をした。船のクレーンを使って、大きな網目のネットをロープで海へ下ろした。
白い氷塊が甲板に引き上げられた。西岡純・北海道大教授がノコギリを使って小さく切り分ける。サンプル採集は、氷の中に含まれる物質を調べたり、微細藻類のDNAを解析したりするのが目的だ。
記者は事前に「かき氷器」を購入。船に積み込んでおいた。
食い意地が張っているわけではない。流氷というものの本質に迫るには、目で見て、手で触れるだけでなく、その味わいも知っておくべきだと考えた。
「取材は五感でするものだ・・・」。そんな昔の先輩記者の言葉を、ふと思い出したのである。
「かき氷」ができあがった。「どうせ、しょっぱくでマズい味だろう」。そう思っていたが、現実は違った。かなりおいしいのである。
口に入れた瞬間は、普通のかき氷と同じ。舌の上で溶けると、ほのかに塩味の余韻が残る。
「そうや」がオホーツク海での「最後の海氷観測」のため、流氷の海を進んでいる。20日から26日までの日程。記者が同行し、体感した北の海の謎を随時、船からお届けします。なぜかき氷はおいしいか。科学的に分析します。
同行する他社の記者2人にも…